オーガニック/バイオダイナミック
 数年前の「オーガニックって何?」という時期に比べると「オーガニック」という言葉は随分浸透してきましたが、変にオーガニックブランド化して、高級なイメージだけ残しているのであれば残念なものです。しかし・・・こればかりはブランドと違って、原料自体が本当に高いです。商業栽培の数倍の原料価格になります。濃縮された精油ではその価格差は歴然です。当店がオーガニックをあえて推奨するのは、有機農業の発展による環境への好影響や、農家の健康被害・化成肥料や農薬・有害添加物の拡散減少という生産過程を大きく評価しているからです。オーガニックを選ばれるお客様は、その安全性にひかれている方が多いですね。もちろんその安全性は薬局としても大きな魅力です。当店の価格はお安く設定しているので、オーガニックと通常栽培との差は価格以上の力の差がある事が多いです。医療方面において生薬など、様々な天然素材を扱って提案する機会が多いと、医薬品に限らず、やはりオーガニックや野生の力の違いはとても大きな魅力を感じます。メーカーで加工されると、さらに高額になりますが、営利団体ですから、必然的な価格です。しかし装飾が過ぎて、ブランド化させ高価な設定を維持しようとする商品も多いです。オーガニックだから売れるだろう・・・それでは駄目ですよね。普及させる努力をして、日本の農家をオーガニックスタンダードにすれば、どれだけ美しい国になる事か・・。日本は勤勉で怠惰を好まず、自然を理屈抜きで愛し尊み、我慢強い国民です。我らの祖先が頑張ってきたのが結果に出ていますし、本当に評価してよいと思います。国土は狭く限られていますが、地下水・山水も豊富で決してオーガニックファームの素養としては不可能でない見本になれる国だと自負しているので、その教科書になればと思っています。土地の狭さ故、汚染が広がりやすい点を除けば・・・ですが。これらは家庭排水の消費者責任も問われるところです。こういった面は厳しくなればよいのです。環境税も消費者負担もアリかと思っています。
  バイオダイナミック農法はドイツの人智学者の知識ですが、日本固有の教科書が出来てもよいでしょう。マクロビオテックも似た意味でよい影響は与えていますね。治療などの応用においては、未だ未熟な面が多いですが。

 田舎に行くほど、除草剤の無作為な使用量に驚かされるものです。古人はこれらに全く違和感を感じていません。有機農業も人糞など不衛生な要素による、ウイルス・細菌感染や飢饉が去った現代においては、あらゆる意味で見直す時期に入っています。
バイオダイナミック栽培は人智学者シュタイナーの理論で、さらに方位や宇宙の概念を栽培方法に取り入れ、栽培された入魂の作です。出来てくる収穫物は当然期待通りのものです。農家も手を抜いていないのがよく分かります。御存知の通り、農家入魂のお米は美味しいものですよね。オーガニックが高くなるのはやはりこの部分からなのです。私はそういった価格上昇であれば、第一次産業に投資アリと考えて大きく採用しています。お客さんにもそういった需要を増やす投資をお願いしたいところです。需要があれば競争が生まれ普及するものです。

 薬局を営んでいる性質上、化学肥料でよく肥えて商品価値を高めただけの商業栽培モノと、オーガニック・バイオダイナミック・メディカルグレードは、色はごまかせますが、香り・気味・効能などの面で違いがすぐに分かってしまいます。価格をグッと抑えた非認定オーガニック栽培品も最近は大きく流通を始めていますが、同等に優れたものが出てきています。オーガニック非認定品は入手時に第三者の認証がないので、幾分規格も甘い栽培法になっていると考えてよいですが、エコロジカルな栽培過程・品質・価格の費用対効果においては、商業栽培品より少し割高程度ならずっとお勧めです。オーガニック表示できないのは表面的な商品価値として下がりますが、中身は決して侮れません。オーガニックの見分けがつけれない方は、自ら産地入手は控えた方がよいです。まだまだひどい販売者はインターネット経由でも沢山いますから・・。

 認定がなければオーガニックかどうかなんて分からない・・なんていう人・・いますよね。オーガニックと、そうでないもの両者を使い分けて使う経験がある人なら、香りをもつオイルやハーブなどなら区別など容易なものです。化学染料・化学香料の有無も5年も真面目に植物選定していれば分からない方がおかしいです。人偽物も巧みになりましたが、まだまだ自然のアートを人間が作り出す事は無理だという事です。つまらぬ例ですが、偽札よりずっと難しいはずです。当店の判断でオーガニック認定のないものでも採用するものは多いです。仕入れも安くなる事がありますので価格もグンとお安くしています。ただし日本ではオーガニックを謳えないですね。農薬の有無も調べないと分からない事は多いですので、「植物のもつ力」以外に、この点を大きく着目する場合は、やはり認定品:Certified Organicをお選び下さい。この辺はお好みでお選び下さい。