中 医 学

名医は中医学の基礎である「治病必求于本」を必ず説いています。これは病気の中の「本」を求める事に重点を置くというものです。「本」とは病気の「本元の部分」と捉えてよいでしょう。病気には色々な症状が出ますが、例えば喘息を肺の病気とするのは表面上の症状が出ている臓器しかみない診断で、中医学では喘息様の症状でも本元は、これを「脾・腎」にあるとする事が多いのです。アトピーを皮膚を作り出す他の内臓に問題があると考える事も多く、決して皮膚病と捉えません。このように病気には表面上の「標」と、本元の「本」との関係があり、この相互の経過を見ながら、処方の基本をどこに置くか決めていきます。この決定(弁証)がとても重要で難しいところです。症状がひどければとにかく、表面の症状を先に見なければいけない事は言うまでもありません。喘息も最初は肺陰虚か調べて表治を行うものです。
 こういった見極めを行うベースであり、中医学の基本的な考え方に陰陽五行説があります。これは一種の宇宙観であり、中医学はそれを人間に応用した非常に高度な学問です。全てが「相対的」であり、固定された考えでなく、常に動いて不変であるとします。万物において絶対的・不動という考えはしません。

以下に項目毎に説明を加えていきます。かなり内容の濃いものとなるので、徐々に更新してまいります。

■陰陽学説   
■五行学説   
■陰陽五行結合 
■運気学・太極図
■五臓     
■六腑     
■気・血・津液 
■経絡     
■傷寒六経   
■温病     
■病因弁証   
■四診八綱   
■中葯     
■方剤八法   
■針灸