東洋・西洋ハーブにおける、虫や髪の混入について

 自然物の提供において、虫や髪・石・ビニール片など微小な混入物はどうしても避けれず、業界の中では、これら混入におけるクレームは返品の対象となっていないのが現実です。※ただし、カビや変質したもの、過剰な混入は当然返品対象となります
 当店は農薬を使わないハーブ選びを優先しているため、特に卵を含む虫の除去は100%解決不可能なものと理解して賛同しております。虫がつくのは、逆に農薬不使用の大きな証拠にもなるため、関心が高く虫害経験の多い消費者ほど、虫の混入を、残留農薬が少ない証明として喜ばれます。当店としてもオーガニック系食材に虫が湧いた場合、複雑な心境ではございますが、その入手ルートに無農薬の証ともいえる確かな信用を感じるものです。
 特に綺麗なハーブ類においては、国内では鑑賞的な要素も強く、きれいなものに付加価値が付けられております。当然、国内商社は売れる体制作りをしないといけないので、日本人消費者向けに虫対策を施します。 こういった安全面での悪い需要が、添加物として我々の見えないところで生まれております。一方、それに力を注ぎすぎた商品化は、皮肉にも残留農薬という形で騒がれる時期もあり、CS対策が仇になったケースもございますが、未だに農薬の使用は経済的にも手を切れないようです。その代表例は経済大国アメリカの柑橘系や遺伝子組み換え栽培物の輸出でしょう。
オーガニックや無農薬・農薬検査済みという内容に関心のある方は、上記の内容は御理解頂いていると思いますが、未だ一部のお客様においては、微小な虫の混入などをクレームとして返品を望まれる傾向があります。

当店として、顧客の安全性の評価を大きく重要視しつつ、なるべく納得頂ける様、対応に努める所存ですが、その混入が微小で衛生上問題がないと考えられる場合のみ、上記の経緯を汲んでいただければ幸いです。
問題点として、線引きといえる判定ポイントがないため、どこまでがクレームになり得るかという点につきます。気になる場合は、できるだけ詳細にその内容をお知らせください。これまで返品不可になった大きなトラブル等はございませんが、できる限りの対応を考えております。

 野菜の虫食いや玄米の石の混入などは日本でもうるさく言われなくなりましたが、これら珍しいハーブでは、消費量やその実態が不明瞭な点も多く、まだ「気持ち悪い」と言われる傾向にあります。ただし、近年、農薬検査が生薬においても厳しいチェック体制に入りますので、虫の混入・または選定後の羽化など、さらに避けられなくなるのではないかと思われます。消費者にとっては安全の確保面においてよい事ですが、見目の面で犠牲がないわけではありません。

 髪や石などの異物混入において、色々な技術で分離できるようになったのですが、静電気で付着するビニール片など、まだ100%の選別は不可能とのことです。そのため手作業の工程を入れて頑張っている会社もございますが、現状の価格を維持するためには、選別に費やす経費はこれが精一杯との事です。一方、この問題を何とか克服した例もございます。非常に選別の難しいといわれる紅花(サフラワー)が手作業による選別工程に組み込みました。当然ながら、2−3倍という大幅な高騰をおこしました。(サフラワー油はこういう選別は不要なので価格変更なし) しかしこの例が全てに適用されると、業界上、大幅な価格変更に繋がるものと推察いたします。 業務用ハーブに混入する異物は程度の差こそあれ、クレームに至るほどのひどい選別は非常に少なく、充分な選別能力と言われており、衛生面・安全面の危惧よりも、体裁上のパフォーマンスで騒がれているのが現状で、過剰なラッピング包装に便乗した経済的な意図、つまり「高額につながる商品化」という経済的パフォーマンスに真意が向けられている気がしてなりません。現在は経済活動をいかに右肩にあげるのかが大切な時代なのです。衛生的な安全性を考慮すれば、全て滅菌するべきでしょうが、現状の滅菌は放射線照射(ガンマ線・電子線)による滅菌を用いたものになっているようで、素材の劣化や風評被害などの問題打破にいたっておりません。結局、こういった見目の問題は消費者と経済的解決に至るのが現状でございます。つまり未選別ハーブは業務用として安く提供し、商品化したパッケージものは製造側でそれを負担し、高額商品として上市するというものです。(ちなみに当店は前者側となります)

 見目の問題ではなく、農薬の不着したハーブ類は、驚くほど虫害が減ります。1年もたないハーブが何年も虫が食わず、体裁上ありがたいものの、実は恐ろしい事です。 安価な業販ルート(健康食品用に粉末加工して原型が見えなくなる原料など)において悪質なケースがあり、消費量が多いに関わらず、あまり騒がれていませんが、本来の問題はこちらにあるのでしょうが、体裁上のパフォーマンスがよろしく問題にされていないのが現状でございます。しかし性味・気味は驚くほど落ちているので、実はかなり粗悪なものなのです。
 当店ではこういった原料卸は避けておりますので、今後も虫の問題は避けれない点と、技術的限界で髪や石などの少々の異物混入はお許しいただく、何卒ご理解いただけますよう、お願い申し上げます。
ただし過剰と思われる虫の発生などには誠意を持って対応させていただきます。また医薬品に該当するものは、上記の限りではございません。別途できるかぎりの対応をさせていただく所存でございます。